昼寝時間は営業の特権

2017/02/06

ディーラーのお仕事

外回りの営業マンと内勤の人間の決定的な差、それは"自由に昼寝ができるかどうか"、に尽きると思う。
昼寝の効果は様々であるが、私の場合は頭をスッキリさせ、移動中の漫然運転を予防するという目的で積極的に昼寝を取るようにしていた。この習慣は今も変わらない。


午前中、客先での用を済ませると、とりあえずルート上の食堂に駆け込む。これが大体11時50分頃だ。ズルだと思われるかもしれないが、正午を回れば近隣の会社員や現場作業のオッサンが大挙して現れ、余計な待ち時間を食うことになる。効率化のためには致し方ないのだ。
そして適当に昼食を済ませると車を海沿いか山際の日陰に移動させる。ある程度営業の経験を積むと昼寝用のアジトも何箇所か出来てくるのである。
景色がよく人気の少ない場所だと同じような考えの輩も結構いるものだ。社名を白いマグネットシートで隠したプロボックス等が大抵先客である。こいつに自車を並べて停車させる。窓を少し開け、シートをリクライニングさせると準備万端。5分ほど携帯でニュースを確認した後、昼寝に入る。

……15分後。

爽快な気分で起床。魔法瓶から出したキンキンに冷えた茶を飲んでリフレッシュ完了である。この一連の儀式の最中が「営業やっててよかったなぁ」と、思える最大の時間である。もっとも、営業故にこういう疲労回復手段が必要なのであるが……。
とりあえず以上が私の普段の行動パターンである。幸いにして無事故を絶対条件とする職場ゆえ、このあたりをとやかく言う人がいなかった。むしろ年配の営業マンなどは、積極的に睡眠休憩を勧めていたように思う。食後の時間帯はどうしても脳に酸素が回らず、眠くなりがちになる。そんな状態で動き回るよりはリスク回避のために多少の時間を犠牲にしても休息を取るべきでなのだ。

そもそもそんな時間すら無いという場合は?もし、あなたが毎日外回りをしていて昼寝の楽しみすら無いとすれば、自分は世間一般から見て非常に不幸な境遇なのだと自覚するべきだろう。そんな会社はさっさと辞めてしまったほうが身のためかもしれない。取り返しの付かない事故をやらかすよりはその方がマシというものだ。


ちなみに昼寝で注意すべきは、寝る時間は15分程度、長くとも30分以内に収めることである。これ以上の時間をかけると却って体がダルくなって逆効果になる。そして携帯はマナーモードにでもしてカバンの奥底にねじ込んでおくことだ。自然に目覚めるのではなく、着信音に起こされると非常に不快な思いをする。そんなものは昼休み明けの13時以降に折り返し連絡すればよろしい。