新車のビニールの話

2016/12/04

ディーラーのお仕事

時々、町中で納車時のビニールカバーをそのままにして乗っている方を見かける。年配の人に多いように感じるが、とにかくアレはやめて頂きたい。車の挙動によっては乗員の体が滑って危険であるし、見た目も不格好。何よりシートとの間にホコリが溜まりやすく不衛生である。どうしてもオリジナルのシートを汚したくない、と言うのであれば車種専用のシートカバーかレースのハーブカバーを付けて定期的にクリーニングした方がいいだろう。
個人的にはシート表皮の質感を重視する人間なので、あまりカバーの装着はしたくないのだが……。

ところでこのビニールカバー、人によってはコイツを外す"儀式"を非常に楽しみにしている人も多いため、納車前の準備の時点で完全に剥いでしまうのはご法度である。とは言え、売る側からすれば納車時の限られた時間で外すのもかなり難儀であるし(特に後席)、大量のゴミも出て不細工であるので極力簡略したいのも事実。なので納車前の打ち合わせの時点でこの辺りの要望を聞いておくのを絶対に忘れてはいけないのだ。私の場合「外しておいていいですよ」と言われた場合でも、とりあえず運転席のビニールだけ残しておき、固定用のゴム紐にハサミを入れてすぐに撤去できるように準備しておくのが常であった。
ちなみにどこまでビニールを被せるかはメーカーによって様々で、私のいたところでは前後席とも装着というのが基本であったが、最近のトヨタやダイハツなどの安価な車両は運転席のみであったと記憶している。スカイラインを購入した時は、サンバイザーや内装のあちこちにビニールと保護テープがコテコテに貼られていて少々やりすぎな感もあり(バブル期じゃあるまいし)、どこから外していくか、記念の花束とともに思案に暮れたものである……。