2016/11/03

LEXUS販売店で幻滅した話

半年ほど前のことである。マセラティ・クアトロポルテのカタログを貰うために地元の販売店を訪問した。生憎の小雨模様であったが、車を停めてすぐに受付の女性が傘を手に駆け寄ってきてくれた。単純なことながら、こういう第一印象の良さは重要。


店舗の中はルームフレグランスが効いていて、それだけでも"高級店だぞ"という雰囲気がダイレクトに伝わってくる。店内の調度品もシンプルながら質の良いもので揃えられていて非常に居心地が良い。セールス氏と談笑しつつ、展示車のギブリや試乗車のクアトロポルテをじっくりと観察させてもらった。セールス氏は若手であったが、知識も豊富で、塗装やエンジン音に関する特徴を色々と教えてもらうことができたし、話し方にも嫌味がなく、それでいて自信に溢れた物言いだったのが非常に好印象であった。
この時は「カタログだけで具体的な検討はしていませんよ」と伝えていたにも関わらず、上記のような対応であったので、帰路の頭の中はすっかりマセラティ一色であった。しかも数日後に来店御礼と試乗の案内の手紙が手書きで送られてきたのには恐れ入った(私も現役時には陳腐な手法とは思いつつも手紙を出していたのだが、いざ受け取る側になるとなかなか嬉しいものである)

さて、問題はそこから少し経ってレクサス店を訪れた時のことだ。当時、私は自分の車の代替を検討中で、候補の一つであるレクサスRCの試乗をしようと思っていたのである。電話予約をして、RC200tを用意してもらうことに。マセラティの後だったので、正直この時もかなり対応には期待していた。なにしろトヨタが誇る高級店であるし、世間の評価も上々、日本式のおもてなしを見せてくれるに違いないだろう、と。
いざ店舗に到着すると、すかさず女性店員が登場。用件を伝えるとショールム内の席へ案内される。ちょうど日差しが強い頃合いであったので、ロールカーテンが降ろされたのには流石に気が利くな、と感心。ただ、ここから担当者登場までに15分以上待たされるとは思いもよらなかった。その間、飲み物のサービスを受けるでもなく、展示車と腕時計とに視線を往復させる私……。いい加減、内装のサンプルも見飽きた頃に担当者はやって来た。他の来客対応をしていたのか、試乗車を引っ張り出してきていたのか、その辺りの事情は察するが、予約の客が来たらまず挨拶に来るのが本来の順序であろう。私なら最初に顔合わせをして、客の車の横に試乗車を持ってくる。

何はともあれ試乗は始まった。が、この担当、本当に喋らない。私も口数の少ない方であったから偉そうなことは言えないが、こちらから話を振っても
私「やはりレクサスは購入される方の年齢層は高いんでしょうか?」
担「ええ、車両価格が高いのでどうしても……」
私「……」
担「……」
始終こんな調子である。会話のキャッチボールというよりストラックアウトかボウリング。どちらが営業しているのか分からない状態だ。世間話すらしないのなら、案内はナビに任せてデッドウェイトには降りてもらったほうが良いのだが……。
試乗コースそのものもありきたりな市街地一周と言った感じで、折角の車の素性の良さを感じ取るには十分と言えなかった。なんとも言えないモヤモヤ感が残る。

試乗から戻った私は、ここでRCそのものの特徴について質問してみた。担当氏はレーザースクリュー溶接の採用や、オープンボディのシャシを用いたことによる剛性の高さをしきりにアピール。候補の一つがスカイラインであることは伝えていたので、「他車と比べて"ここは違うぞ"という点はありますか?」と訊いてみた。
担「うーん……やはり剛性の高さですかね」
私(他にないのかよ!!)
結局、この日は試乗という第一目標は達成できたものの、最後まで"営業"とか"提案"とか言ったものに接することはできなかった。
最後にカタログをもらう際、女性店員に"レクサスの良さ"について訊いてみた。彼女は色々な社会的地位が高そうな人を例に上げて「~にお乗り頂いています」といったふうに答えたが、これもピントのずれた回答であろう。オーナーの地位が車の性能やブランド価値とイコールであるなら、スズキの販売店諸君、明日から「マルチェロ・ガンディーニ氏の愛車はワゴンRです」と声高に宣伝しようではないか。

結局、このような経緯もあってRCは購入候補から外れたのであるが(車自体も私を満足させるに足らなかったというのもある)、後日レクサスオーナーの方と話をしてみると、その方の訪問時も最初は愛想のない対応で、即決の意向を示した途端、態度が180°変わったとのこと。
全国的に見てレクサス店が高い評価を得ている、というのは先に書いた通りだが、私の地域ではその限りではなかった。ここの販売員諸君は、全国の同業者の評価まで損なっていることに早く気が付いてほしい。



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