BMW 318i SEDAN 試乗記

2016/10/08

試乗記

ついにBMWが3気筒を積む時代になったか……。そう思いつつもディーラー営業氏(私の父の担当者)からの誘いにホイホイと釣られてきたので、早速感想を書こうと思う。車両自体はモデル後半であるので、エンジン以外については特に述べないこととする。


エンジン諸元

直列3気筒1.5Lターボ
136ps/4,400rpm
22.4kgm/1,250rpm-4,300rpm


第一印象

今回の試乗は一般道での0-60km/h前後の速度帯で実施。
まず、アクセルを踏んで動き出す瞬間は思いのほかスムーズでストレスを感じない。低速から十分なトルクを発揮するエンジンのためか、優秀な8ATのためか、非常に扱いやすいのだ。これには良い意味で期待を裏切られた感じだ。もちろん大昔のターボ車のごとく、ある回転数から唐突に車が前に押し出されるようなこともなかった。通勤や買い物等、一般道での日常利用では全く問題のないパワーである。今回の試乗では試せなかったが、日本の峠道でもパワーを使い切れる分、楽しく走れるのではないかと思う。


でも3気筒でしょ?

"4気筒に比べれば、サウンドやフィーリングは劣るんだろう"と、言う意見もあるだろう。それはそうだ。でなければ余分な金を出して320iを買う意味がなくなってしまう。しかし、「軽四と同じ形式」だとか「安かろうの手抜き品」だとか言った指摘は的を射ていないと言える。BMWとしてこれはこれでアリだな、といえるくらいの仕上がりにはなっているというのが私の感想だ。
国産の300万円台のセダンには4気筒2L NA(おおよそ150psくらいか)にCVTをくっつけたモッサリとして残念な代物もあるが、それこそ安普請であって、318iほどの満足は得られないだろう。


ネガな部分

非常に単純かつ明快な欠点が一つある。それは、ボディ、サスペンション、その他諸々がよく出来ているせいで、結局はパワーに満足できなくなるという点だ。先に述べたように日常での走行には全く支障がないのだが、高速のランプウェイや合流でグッと踏み込んだときに"ニヤリ"と来る感触が無いのだ。
こういうダウンサイジングだのエコだのといった話題が出ると、決まって多気筒大排気量を古典的かつ時代遅れとする言説が出てくるのだが、私は今しばらく古典派の枠に留まりそうである。