営業の一日とは

2016/10/01

ディーラーのお仕事

多くの人にとって、ディーラーのショールムに立ち寄る回数は年数回、しかも商談でもなければ比較的短時間ということが殆どであろう(いや、イベントごとに必ず来ているぞ、という方には感謝)。営業マンが普段何をしているのか疑問に思われている方のために、大雑把ながら一日の流れを記そうと思う。


一日の始まり

まず早朝に出社すると、ショールムの清掃や試乗車の洗車が始まる。もちろん社会の常で下っ端新人は一番乗りしなければならない。殆どの場合、試乗車は洗車機に放り込むのだが、背の高いSUVは拭き上げに手間がかかるので大変だったのを覚えている。
店舗の準備が終われば朝礼だ。ラジオ体操をして、社訓唱和。どこにでもありそうな光景である。
ここで拠点長からの有り難い?講話と前日の成績発表が行われ、売れてない営業にとってのプレッシャーとなる。


いざ外回りへ

外回り、と言っても新聞や住宅の営業のように、個人宅へ上がり込んで行う"飛び込み"は殆ど行われなくなっている。基本的には既存客へのアフターフォローと土日の"決戦"に向けての種まき活動がメインとなる。
一番時間を取られるのが、点検の引取納車だ。平日に車を預かって点検して欲しいという客はかなり多い。職場へお邪魔するか、自宅で留守番する家族からカギを預かって帰ってくる。この時、客先の駐車スペースを見渡して、他社の車が止まっていないか、車検はいつか、等をさり気なくリサーチするのも重要な任務である。また、家人が車の所有者でなくとも、十分なコミュニケーションを取って顔を売ることも大事だ。時間調整の下手な人間は、この引取納車が単なるお使いか時間の浪費と化してしまい、結果的に売れない営業になってしまう。


点検以外にも・・・

点検の終わった車を返し終わっても、点検の案内や、登録関係の書類作成、保険の勉強会など、平日の業務は山ほど残っている。
突然、昔名刺を渡した新規客が店頭に現れUターンなどのハプニングもしばしばである。予定の立て難さ、という点で車の販売の右に出るものはないだろう、と私は勝手に思っている(笑)


一日の終りとその後

昼間の活動が終わり、店舗に帰還しても業務は終わりではない。迷惑時間ギリギリまでは電話という営業手段が残されているし、新車の納車を控えていればその準備もしなければならない。定時で終わることはほぼ無いと言っていいだろう。そこから先に何時間の残業が待ち受けているかは、販社と拠点長の方針次第である。幸いに私が一番お世話になった方は家庭第一主義であったし、会社のシステムも時間制限付きであったので、理不尽な長時間労働は皆無であった。「上司より先に帰るとは何事か」というオーラを纏った昭和の残滓に使われている同業者諸君には同情を禁じ得ないが……。(もっともこの業界に限った話ではないのだが)